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GZKカットオフ

 

よみ方

じーずぃーけーかっとおふ

英 語

GZK cutoff

説 明

極高エネルギーの宇宙線は、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)と衝突してエネルギーを失うため、約10^{20} eV付近を境にして、それ以上では急激に地球への到来数が減るはずであるとする予想。
このことはCMBの発見後ただちに、CMBの光子が宇宙線陽子に及ぼす効果として、グライセン(K. Greisen)、ザツェピン(G.T. Zatsepin)、クズミン(V.A. Kuzmin)により指摘された(1966年)。この現象をそれを指摘した研究者にちなんでGZKカットオフ(あるいはGZK限界)という。
エネルギーが 約7\times10^{19}\,{\rm eV} \times(\epsilon/10^{-3}{\rm eV})^{-1} 以上のとき(\epsilonは光子のエネルギー)、宇宙線陽子は6 メガパーセク(Mpc)に1回程度の確率でCMBの光子との間で光-パイオン(パイ中間子)生成反応を起こす。その際 10-20%(パイオンと陽子の質量比程度)のエネルギー損失を受けるので、数回の相互作用でもとの宇宙線陽子は大半のエネルギーを損失し、30-100 Mpc (=1-3億光年)より長い距離を飛来できない。このため、この距離より遠方から飛来して観測される宇宙線陽子に約10^{19}\,{\rm eV}以上のエネルギーを持つものはほとんどなくなり、そこでエネルギースペクトルが急激に減少することになる。

2019年06月10日更新

関連画像

高エネルギー宇宙線と光子の反応(http://www-ta.icrr.u-tokyo.ac.jp/index.php?id=4)