天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3000語以上収録。専門家がわかりやすく解説します。

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紫外線

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よみ方

しがいせん

英 語

ultraviolet ray

説 明

波長が1 nmから400 nm程度の電磁波の名称。この波長範囲で波長が短いもの(1-200 nm)を真空紫外線と呼ぶことがある(波長範囲によって、遠紫外線、極紫外線、極端紫外線などの呼び方もある)。
1801年に、前年のハーシェル(W. Herschel)による赤外線の発見に刺激されたドイツのリッター(J. Ritter)が、太陽のスペクトルの赤と反対側である紫色のさらに外側で、塩化銀をしみこませた紙が黒くなる(感光する)ことからその存在を発見した。生まれたばかりの大質量の星など、極めて高温度の天体から強い紫外線が放射される。紫外線を放射する天体を一般に紫外線源と呼ぶ。
紫外線の大部分は地球大気に吸収されて地表まで届かない。このため、紫外線を観測するには宇宙空間へ観測装置を持って行くことが必要である。紫外線は可視光よりエネルギーが高いので、地上まで届く波長の長い紫外線でも日焼けを起こすなど人体に影響が出る。各種の殺菌装置には紫外線が用いられているものが多い。大気の窓も参照。

2023年02月09日更新

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    * 電磁波の名称と対応する波長と周波数(振動数)及びエネルギー。名称の境界は厳密に定義されてはいない。
    * 大気の窓。横軸は波長で縦軸は地上高度。さまざまな波長の電磁波は大気による吸収のため、緑で示す領域の上端高度より下(地表に近いところ)には届かない。
    (原図は芝井広氏による)
    紫外線で見たアンドロメダ銀河(M31)
    (GALEX team, Caltech, NASA)