天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3000語以上収録。専門家がわかりやすく解説します。

New

ティスランの判定式

 

よみ方

てぃすらんのはんていしき

英 語

Tisserand's criterion

説 明

制限三体問題において、二体問題となる2天体が円運動をしている場合には質量の無視できる3体目の天体の運動においてヤコビ積分と呼ばれる量が保存される。ティスランの判定式はこのヤコビ積分を簡略化してその保存則を近似的に表したもので、

$$\frac{a^{\prime}}{2a}+\left(\sqrt{\frac{a}{a^{\prime}}(1-e^2)}\right){\rm cos}\,I =  定数$$

で表される。ここで、$a'$ は2天体の運動の軌道長半径$a, e, I$ は3体目の天体の軌道要素である。

たとえば、太陽-木星-彗星という系で、彗星が木星に近接遭遇して軌道が大きく変わったとしても、ティスランの判定式の値はほぼ同じ値をとる。このため、異なる時期に観測された彗星が同一のものであるかを判定するのによく使われている。

2023年05月10日更新

問い合わせ
問い合わせ

この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。

受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。

    記事タイトル (必須)

    [text* title]

    記事URL (必須)

    [text* url]

    お名前 (必須)

    [text* your-name]

    メールアドレス (必須)

    題名

    [text your-subject]

    メッセージ本文

    このフォームはスパムを低減するために Akismet を使っています。 データの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。

    関連画像

    画像をクリックすると拡大されます