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SETI

高

よみ方

せち

英 語

Search for Extraterrestrial Intelligence (SETI)

説 明

地球外知的文明探査(Search for Extraterrestrial Intelligence)の略号。セチと発音する。当初は地球外文明との交信(Communication)を目指したのでCETIと呼ばれていた。交信のために地球から電波のメッセージ(アレシボメッセージ)を発信したこともあったが、電波天文学の技術進歩に伴い、交信に限らずさまざまな計画が進められ名前もSETIと改称された。
科学的なSETIの活動は、1959年のコッコーニ(G. Cocconi)とモリソン(P. Morrison)がネイチャー誌に発表した論文から始まるといえる。彼らは、地球外文明が通信を行うとすれば、宇宙に普遍的に存在する中性水素原子の出す波長21cmの電波を使うであろうと述べた。これを受けて、1960年にアメリカの天文学者ドレイク(F. Drake)がオズマ計画を実行した。アレシボ天文台はこの活動に深く関わっている。
1984年には、「宇宙における生命の起源、特徴、およびその普遍性を探索し、理解し、説明する」ことを目的とする非営利法人の「SETI研究所」が、アメリカのカリフォルニア州に設立され、SETIの活動の中心となっている。SETI専用の観測時間枠があるアレン電波干渉計を建設し、第一期計画の42台のアンテナは2008年から稼働している。
2016年からは、ブレイクスルー財団からの援助を受けて、ブレイクスルー・リッスンと呼ばれるSETIのための電波観測および可視光観測が10年計画で進んでいる。
1999年に始まったセチ・アット・ホーム(SETI@home)プロジェクトは、初期の代表的な公開の分散コンピューティングプロジェクトで、家庭にあるパソコンでSETIのデータ解析に協力するものであった。このプロジェクトは2020年に休止したが、20年間で170万人以上の参加者が自分のコンピュータの空き時間を提供した。
ホームページ:http://www.seti.org/

2022年01月31日更新

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    関連画像

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    カリフォルニア州ハットクリークにあるアレン電波干渉計
    http://www.seti.org/ata