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ナスミス焦点

 

よみ方

なすみすしょうてん

英 語

Nasmyth focus

説 明

経緯台反射望遠鏡において、高度軸上に結像される焦点のこと。望遠鏡の不動点(方位軸と高度軸の交わる点)に、副鏡からやってきた光を高度軸方向に反射する鏡(第三鏡)を置くことで実現する。イギリスの技術者ナスミス(J. Nasmyth)が実用化した焦点のため、その名がつけられている。ナスミス焦点は高度軸上にあるため、望遠鏡の高度方向の動きには影響を受けない。方位軸周りには望遠鏡と一緒に動くことになるが、水平面上の動きであるため重力の影響を受けない。このため、安定した焦点であり、精度を要求する大型の装置を設置することができる。合成口径比(F比)は、カセグレン焦点とほぼ等しく、F/8からF/15程度である。焦点(望遠鏡の)も参照。

2018年09月06日更新

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    *さまざまな望遠鏡焦点とその光学系配置
    吉田道利「地上望遠鏡」、シリーズ現代の天文学第15巻、家・岩室・舞原・水本・吉田編『宇宙の観測I』第2版 5.1節 図5.1 (日本評論社)
    すばる望遠鏡の各焦点
    (すばる望遠鏡ウェブサイトより。© MBTA Corporation Japan #150132)