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グレートウォール

高

よみ方

ぐれーとうぉーる

英 語

Great Wall

説 明

宇宙の大規模構造の一つの名称。1980年代にハーバードスミソニアン天体物理学センター(CfA)のハクラ(J. Huchra)とゲラー(M. Geller)らによって行われた銀河の赤方偏移サーベイで見つかった。銀河の空間分布があたかも「万里の長城」を思わせるような細長い壁のように見えることからこの名がついた。地球から約3億光年離れたかみのけ座銀河団をほぼ中心にして東西方向に5億光年以上の長さを持つ「銀河からなる壁」である。この発見は、宇宙の大規模構造の最大の大きさを調べるための大規模な赤方偏移サーベイの原動力となった。

2018年10月02日更新

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    *グレートウォール。上図に示す赤緯30°を中心とする帯状領域の銀河のスペクトルから後退速度を求めて奥行き分布を描いた扇型の図が下に示されている。銀河系は扇の要の位置にある。後退速度で8000 km/sのあたりに連なっている「銀河の壁」がグレートウォールである。
    嶋作一大「宇宙地図の歴史と大規模構造の発見」、シリーズ現代の天文学第4巻、谷口・岡村・祖父江編『銀河I』第2版 10.2節 図10.5 (日本評論社)